過払い金を問い合わせる前に

 

ラジオでは、2019年になっても法律事務所や司法書士事務所提供の、過払い金請求のCMをやっています。

過去に借り入れをしていて、「私にも過払い金があるのでは」と思う人もいるでしょう。

特に、いまだに借金がなくならない人にとっては、お金が返ってくる過払い金請求は切実な問題です。

ですが、2019年現在、時効消滅していない過払い金のある人は、非常に限られます

明らかに過払い金がないのに電話をするのも時間のムダというものです。

過払い金請求ができるとしても、次の質問の「すべて」に該当する人だけです。
ひとつ確認してみて下さい。

<質問その1>ここ10年よりも前に、全額の返済をしていない

全額返済し、さらに解約までしたのが10年以上前の場合、過払い金はあったとしても時効消滅しています。

ただ、全額返済したあと、カードローン契約を解約していないという場合もあるでしょう。

この場合は解釈が分かれるのですが、「またいつでも借入可能なのだから完済していない」とみなす余地があります。

完済していないといえるなら、過払い金の時効消滅を迎えていないと考えられます。

カードローンの場合、1,000円以下の端数の借入れが残っていても、利息はつきません。この状態で放置している人なら完済していないと考えられ、チャンスは大きいでしょう。

<質問その2>(おおむね)2007年より前から借金をしている

過払い金は、以前「グレーゾーン金利」で借りていた借金について発生します。
合法か違法かあやふやだったので「グレー」です。

利息制限法を上回る金利で貸していた実態が2006年、最高裁で違法と判断された後、法改正を待たず2007年頃にはすでに、グレーゾーン金利で貸す消費者金融はなくなっていました。

過払い金はそれより前の、たとえば29.2%などの高金利の借金についてのみ存在しています。

<質問その3>銀行や信用金庫からではなく、貸金業者から借りている

銀行はそもそも、グレーゾーン金利の貸し出しはしていませんでしたから、最初から過払い金は関係ありません。

過払い金の対象となるのは、貸金業者からの借入れです。

具体的には、消費者金融、信販会社、クレジットカード会社からの借入れが該当します。

<質問その4>借り入れていた業者が存続している

倒産してしまった業者については、もはや請求が不可能です。武富士など典型例です。

他にも三和ファイナンスなど、比較的利用していた人が多いでしょうが、これも存続していません。

ただし、貸金業者、特に信販業者やクレジットカード会社は変遷が著しいので、借りていた当時のブランドが消滅していても、企業としては合併して残っていることもあります。

有名だったのは「ディック」「セントラルファイナンス」「三洋信販ポケットバンク」「クオーク」「ユニマットライフ」「アイク」などで、これらはまだ存続しています。

以上4つの質問、いかがでしたでしょうか? すべてに該当すれば、チャンスです。

明らかに該当しないという人もいます。たとえば2019年現在、30歳だという人の場合、過払い金はまず考えられません。

また、「以前にクレジットカードのキャッシングをしていたが、カードを解約して10年以上間違いなく経っている」という場合も、明らかに過払い金は時効消滅しています。

上記1~4をすべて満たす人ならば、可能性が高いので相談してみるといいでしょう。

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