悲しき電子マネー(Tマネー&Yahoo!マネー)



PayPay、楽天ペイ、LINE Pay等QRコード決済が乱立しているが、これらも広い意味ではみな電子マネーだ。

以前からある電子マネーは、Felica系。Suicaなど交通系に、楽天Edy、nanacoにWAON。iDにQUICPay。

コンビニなど、複数使えて大激戦。

これだけ多数あると、生き残れない電子マネーも出てくるだろう。

というか、新しいQRコード「ゆうちょPay」など、世間に認知されるところまで行くかどうかも疑わしい。

新しい決済方法が誕生したのち、すべて残るはずもない。

すでにスタートしていても、なくなりそうな電子マネーもある。

その一例がTマネー

Tポイント付きクレジットカードからチャージができて、貯まったTポイントからもチャージができる。

この構造だけ見るなら、「楽天スーパーポイント」に対応する「楽天Edy」と位置づけはまったく変わらない。

だが、次の通り欠点だらけで、普及している様子はない。

  • ポイント還元率が低い(0.2%)
  • クレジットカードからチャージしてもポイントが付かない
  • 使える店舗が少ない
  • モバイルに対応していない
  • ECショッピングに非対応

現代社会においてインフラが役に立つかどうかというのは、絶対的な機能の問題ではないらしい。

どれだけ、利用のベネフィットがあるかで決まる。ベネフィットがあれば世間が受け入れるし、普及する。

Tポイント付きクレジットカードで決済すればポイントが得なのに、わざわざチャージをして価値を毀損する意味はない。

それどころか、Tポイントから移行しても、むしろ使いみちが低下する。

TSUTAYAに行っても、キャッシュレスでの支払方法は無数にある。その中でTマネーを選んでもらうためには、ベネフィットがないといけない。

こんな無意味な電子マネーでも、PayPayみたいに一大キャンペーンを繰り広げて、ポイントバラマキをすれば普及するのかもしれない。

もっともTSUTAYAも今さら、そんなことはしないだろう。

そんなものに注力する前に、瓦解しかけているTポイント陣営を立て直さないと。

電子マネー界の敗者だ。

それから、Yahoo!マネー

これは、実に狭い範囲で生息している電子マネー。もともと、Webの世界の中だけの存在だった。

ヤフー陣営が、Tポイント筆頭であるTSUTAYAと距離を置きたくて作った電子マネーではないだろうか?

手数料は掛かるものの、現金払い出しが可能なのは珍しい特典。

このひっそり存在している電子マネー、PayPayのお陰で一瞬だけ光を浴びたかもしれない。

PayPay経由で、実店舗でもYahoo!マネー決済ができる。どれだけ使っている人がいるのか知らないが。

ちょっと持っていた私も、おかげでたまに使っている。

Yahoo!カードがないと銀行口座からのチャージしかできないPayPayにおいて、コンビニでYahoo!マネーに現金チャージをした上で使うというオプションもある。

ヤフオクの売上金を、Yahoo!マネーで受け取るとTポイントが1%もらえるメリットがあるのだが、これは2019年6月末に終了する。というより、Yahoo!マネーでの受取り自体できなくなる。

ヤフオク売上金は、今後はPayPayチャージで受け取れるようになるとのこと。

どうやらYahooとしても、この電子マネーは切り捨てる方向に向かっているようだ。
まあ、後釜がちゃんとあっての撤退なら、困る人はいないでしょう。

(追記)

2019年9月にYahoo!マネーは廃止されました。もともと地味だったので、話題にもなりませんでした。

 

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