バンドルカードというプリペイドカードのCMが始まったようである。
あのベッキーが主演している。まあ、それはよろしい。
バンドルカードは、中高生をターゲットにしたプリペイドカードである。
VISA加盟店で使えるが、もちろんクレジットカードではない。事前にチャージが必要。
スマホアプリで、ネットショップで決済ができる。Paypayなど、QRコード決済の支払用にもセットできる。
さらにクレジットカードサイズのリアルカードを発行してもらうと、実店舗でも使える。
リアルカード発行には手数料が必要なのだが、現在キャンペーン中で実質無料(キャッシュバック)。
中高生にも、自分のお小遣いの範囲で使えるカードがあるのはよかろう。
ただ、私なら保護者の立場として「dカードプリペイド」を持たせたい。
これなら、親のdカードから、子供のプリペイドカードに対してチャージができる。
こうすれば、現金に触れずに、最大限ポイントも貯められていい。
Suicaも結構いい。なにしろ電車に乗れる。駅以外で、使える店舗もかなり多い。
中高生はモバイルSuicaは使えないが、カードタイプのSuicaにも、親のJR系カードからチャージは可能。ポイントも貯まる。
駅でもできるが、パソリ(ICリーダー)があれば自宅でもチャージ可能。
(※パソリのサービスは廃止予定)
バンドルカードはそもそも貯まるポイントもない。
カードライターの厳しい目からすると、魅力が薄い。
リアルカードは、券面表側に番号表示がないものも選べる。これはちょっと綺麗なデザインでいいけど、店員に「なんですかこれ?」って言われると思うよ。
どうも、クレジットカードごっこにしか見えぬ。
ここまではいいでしょう。選択するのはユーザーだもの。
だが調べていて、これはちょっといかんなと思うサービスがある。
それが、「ポチっとチャージ」。
事前にチャージをするプリペイドカードの掟破りで、お金がなくてもチャージができるのである。
3千円から、最大5万円。審査により異なる。
プリペイドカードには審査がないのだが、ポチっとチャージには審査があるのである。
要は、お金を貸してもらえるサービスなのだ。
だが、利息が付く。利息というと貸金業許可が必要になってしまうが、手数料と呼んでいる。
でも実質は利息だ。これと併せて、翌月末までにコンビニで支払う仕組み。
チャージ金額に合わせて以下の通り。
チャージ額 | 手数料 |
3,000〜10,000円 | 500円 |
11,000〜20,000円 | 800円 |
21,000~30,000円 | 1,150円 |
31,000~40,000円 | 1,500円 |
41,000~50,000円 | 1,800円 |
こういうものを見ると、私は金利を計算せずにはおれないのである。
カードライターであるとともに、ローンライターだから。
最も有利な、6月1日にポチっとチャージをして、7月31日に支払う(返済)ケースを見てみる。
61日間の借金である。
チャージ金額は、もっとも手数料が安くなる5万円。
実質利息は1,800円。
1,800 ÷ 50,000 × 365 ÷ 61 = 21.54%
えー。すでに消費者金融の上限金利、18.0%を上回っておりますが。
今度は、もっとも金利の高いケースを見てみよう。
1月31日にポチっとチャージをして、2月28日に支払う(返済)ケース。
29日間の借金。
チャージ金額は、もっとも手数料が割高になる3,000円。
実質利息は500円。
500 ÷ 3,000 × 365 ÷ 28 = 217.3%
えー、217.3%。すごい数字。
利息制限法どころか、出資法における、金融業者以外の上限金利109.5%の倍である。
こんな超高金利の借金を、未来のある、しかし知識のない中高生にさせていいのだろうか。
反論もありそうだ。「たかだか500円とか1,800円とかのお金に、利息を計算するなんておかしいんじゃないの」と。
いや、少額だからいいやと思う人のほうがおかしいと思いますよ。
闇金だって、最初から高額を借りるとは限らない。少ない額でも、徐々に麻痺させていくのが奴らの手口。
いやあ、バンドルカード怖いなあ。
CMがベッキーなのもむべなるかな。