カーシェアの補償を比較してみる




東京や大阪など大都市圏に住んでいると、自家用車はいらない。
カーシェアが便利になった今、マイカーなんて手放してもいいはずだ。
毎週ドライブに行く人だって、カーシェアのほうが維持費はずっと安い。
本当に自家用車が必要なのは、通勤で使う人だけと思う。

クルマがあれば便利だと思っていても、自分には縁がないと思う人も多いだろう。
そんなペーパードライバーも、カーシェアを利用すれば日常の買い物から送迎、宿泊を伴う旅行まで、どこへでも行ける。
一度もクルマを持たずに、カーシェアライフを始めてもいいわけだ。
カーシェアは、都会人のカーライフを劇的に変えつつある。

それはそうと、ペーパードライバーは、ぶつけやしないか心配があるものだろう。
自分のクルマもぶつけたくはないが、人さまのクルマはなおさら。
私もペーパードライバー歴が長く、運転しなければならなくなったときに教習所に行ったぐらいだから、心配はよくわかります。

補償について各社どんな対応をしているか、比較してみることにする。
なお、当たり前だが、会員以外に勝手に運転させたりした場合は、補償はない。
事故を起こしてすぐに連絡しない場合も同様。
ルールを破ったのであれば、補償がなくても文句は言えない。

全般

各社とも、対人・対物補償、それから車両の補償はおおむね無制限
運転者、同乗者の死傷の場合の補償である、人身傷害補償については制限がある場合が多い。
これは過失割合に関係なく支払われる。

人身傷害補償が無制限でない場合、カバーしようとすると、たとえば三井住友海上の1DAY保険などに入らなければならない。
保険料は500円と安いが、カーシェア利用のたびに保険に入っていられるだろうか。

それからクルマに関する営業補償。
ぶつけたとき、そのクルマは営業ができなくなる。営業補償費として、ぶつけたドライバーはノンオペレーションチャージを支払わなければならない。
略してNOC
NOCは、自走できるときは2万円、できないときは5万円だ。
これはレンタカーでもまったく同様のルールになっている。
対人対物の補償の大きさに比べたらごく些細なものには違いないが、そうはいっても2万円は大金。
一部のカーシェアは、オプションとしてこれが無料となるオプションがある。

タイムズカーシェア

タイムズは業界の圧倒的1位。タイムズがカーシェアのルールを整備していくといっても過言でない。
補償サービスも充実している。
タイムズの場合、人身傷害補償が無制限なのは大きなメリット。

タイムズの画期的なサービスは、「安心補償サービス」。
毎回利用時に309円支払うと、ぶつけた際もNOCが無料となる。
消費税10%アップに伴い、税別300円になる予定。ちょっと値上げ。
他にも、次の事故について費用免除となる。

  • バッテリー上がり
  • ガス欠
  • パンク
  • キーのインロック
  • レッカー費用

単純計算して、60回に1回ぶつける心配がある人は、加入しておいたほうがいいと思う。
私も毎回入っている。
ただし問題点もある。
実際にぶつけてしまった後が課題。
2017年から新しいルールが追加されているのだ。2年以内で2度目の事故を起こした場合、修理費用実費となる。
となると、1回ぶつけてしまった場合は完全に救われるのだが、その後2年間、いわば喪が明けるまでは、怖くて使えないということになる。
次の選択肢しかなくなる。

  • ビクビクしながら運転する
  • 退会する
  • 2年間、月会費を支払い続けてリセットを待つ

月会費を支払い続けると、10月の料金改定後だと880円×24か月なので、21,120円。
それを考えると、退会か。
つまりぶつけたら退会せざるを得なくなるかもしれない。
実は私も過去に一度ぶつけて、このサービスの恩恵を受けたのだが、その際はまだ修理費用実費ルールがなかった。

オリックスカーシェア

オリックスの場合、人身傷害補償が1名につき、上限3,000万円まで。
これはやや低い。
そして、NOCを支払わなくてすむ方法はない。

だがオリックスカーシェアは、dカーシェア経由で使うことができる。
そうするとたちまち補償が充実するのである。
それは次に。

dカーシェアでオリックス利用

dカーシェアはドコモの運営するカーシェア。自社のクルマはない。
オリックス、カレコ、カリテコのクルマに乗ることができる。
料金体系や補償内容は、利用するカーシェアごとに異なる。
オリックスに乗る際、dカーシェア経由にするのはお勧めである。
料金はやや高くなるが、その代わり月額基本料(月会費)が要らないのはメリット。
オリックス直接の場合、月額基本料を支払わないB会員になると、実際に利用するときの料金が5割増しになるのである。
dカーシェア経由だと、そんなに高くなく利用できるのはいい。

さらに補償である。
dカーシェア独自の補償(あんしん補償サポート)があって、事故時に次の費用が免除。

  • NOC
  • パンク
  • キーのインロック
  • バッテリー上がり
  • レッカー費用
  • ガス欠
  • 代車費用

タイムズの安心保証サービスにない、代車費用も無料。
ただし、人身傷害補償は3,000万円までなので、この点は直接オリックスを利用した場合と一緒。

カレコ・カーシェアリング

カレコは、人身傷害補償の上限が6,000万円。
カレコの補償は、タイムズによく似ている。
任意で加入できる「トラブルあんしんサポート」がある。税別300円。
これに入ると、次の費用が免除。

  • NOC
  • パンク
  • バッテリー上がり
  • キーのインロック
  • 緊急出動費
  • レッカー費用

タイムズに似た補償で、比較的安心できる。
だが、悪いところもタイムズに似ている。
1回事故を起こすと、2回目の事故の場合修理費用は免責額を除いて自己負担。
タイムズのように、2年でリセットになるわけではない。
これはちょっとキツい。

dカーシェアでカレコ利用

カレコを直接利用する際、さまざまな会員プランがあるが、「月会費無料プラン」もある。
dカーシェア経由で利用する際の料金は、この月会費無料プランと同じ。
人身傷害補償の上限6,000万円というのも同様。
ただし、トラブルあんしんサポートには入れない。
dカーシェアは、オリックスを使う場合には独自補償があるが、カレコの場合はないのである。
料金の上乗せがないからか。
補償の上乗せがない以上、心配な人はカレコは直接会員になったほうがいいだろう。

e・シェアモビ

日産の電気自動車に乗れるカーシェア。
まだまだステーションは少ないが、今後増えていきそう。
人身傷害補償の上限は5,000万円。
そして、NOCを発生させないNOCサポートプランがある。24時間の保険料が300円(税別)。
NOC以外のトラブルは実費である。
大手以外のカーシェアとしては、充実している補償である。

他にも小さなカーシェアはあるが、補償についてはもうひとつ。
人身傷害補償と、NOC免除の両方を兼ね備えている業者は見当たらない。
補償については、大手のタイムズとカレコが現状はいいようだ。




コメントする