QRコード決済が日本を席巻している。
始めるタイミングがつかめない人も多いのではないだろうか。
始められない人は、すべて現金払いなのか。そうでもないのではないかな。
Suica等の交通系電子マネーや、WAON、nanaco、楽天Edyなどなら使い慣れているという人も多いでしょう。
これらの電子マネー、なまじ便利なので、それゆえ新しいメディアに踏み出せないでいる人もいると思う。
中には、旧来の電子マネーを愛するがゆえに、Paypay等の新興勢力に憎しみを持っている人までいたりして。わかりますよ、気持ちは。
旧来の電子マネーは、Felicaという技術によるもの。ふぇりか。口から息が漏れそうな名前。
駅の改札と同様、ピッとタッチをするだけで決済が終わる。
これほど簡単で便利なものはない。ただ、日本のガラパゴス規格で、世界から批判される対象技術のひとつ。
世界的にはNFCがメイン。一部のクレジットカードには、これを利用したタッチ決済がついている。
私がマクドナルドで三井住友カードを使ってタッチ決済すると、3回に1回はバイト店員に、「あ、(端末に)差してください」って言われる。
言われる頃にはもうタッチで決済はとうに済んでいる。これがNFC。
この方式は、クレジットカードを直接決済するもので、電子マネーとは異なる。
さて、Felica電子マネーの便利さは、私はまったく否定しない。使い慣れてもいる。
現状、QRコード決済との間で起きていることは、便利さを巡る戦いではない。
店舗側の負担がなくて、利用者の還元率の高いQRコード決済が徐々にシェアを拡大している、そういうこと。
だが、Felicaも新興勢力の増大を、手をこまねいてみているわけにはいかないようだ。
ここに来て逆襲開始である。
先に上げた電子マネーは、プリペイド型というもの。あらかじめチャージをして使う仕組み。
もうひとつ、ポストペイ型というのがある。
こちらは、タッチして電子マネーを使うと同時に、クレジットカード決済もされる仕組み。
少額で、クレジットカードを出すのが大げさだと思う場合などに向いている。ちゃんとクレジットカード決済としてのポイントも付く。
こちらポストペイ型の電子マネーが、ドコモ系の「iD」と、JCB系の「QUICPay」。
おサイフケータイやApple Payで使うのもスマートだが、クレジットカード内蔵タイプを使っている人もいるでしょう。
さて、逆襲の中身。
まずiDは、「夏トクキャンペーン」。すでに7月から始まっていて、8月31日まで。
3,000円以上のiD利用で、抽選で2,000名に1万円キャッシュバック。エントリー不要。
抽選なのがやや中途半端。
iDはドコモ系で、ドコモとしてはQRコード決済のd払いにも注力しなければならない。両方の面倒を見るのは大変だ。
次にQUICPay。QUICPayのキャンペーンは、なかなかの内容だ。
利用代金の20%、最大1万円がキャッシュバックというもの。
つまり、合計5万円の買い物をQUICPayですると、1万円返ってくる。
QUICPayの利用上限額は2万円なので、最低3回の買い物で、最大限のリターンが得られる。
スケール感からすると、QRコード決済でおこなっているキャンペーンと同格だ。これは使う価値がある。
クレジットカードの、JCBオリジナルシリーズと、銀行発行のJCBカードが対象だ。
そして、スマホ決済のキャンペーンなので、カード内蔵型ではダメ。
Apple PayまたはGoogle Payにセットする必要がある。ということは、おサイフケータイアプリではダメなわけだ。
これから先、こういうキャンペーンどんどん出てきそうだ。
7Payで失った信頼回復のために、nanacoもやるんじゃないでしょうか。
そして、それに対抗するためにWAONもやるんじゃないでしょうか。
楽天ペイとの相乗効果を狙った楽天Edyもやるかもしれない。
楽しいことであります。
本当に、いけませんよ現金主義なんて。損するだけです。