ファミマにパンフレットあり「Fマネーカード」の実力は?



ファミリーマートに置いてあるパンフレットの第2弾。

ファミマTカードと一緒に置いてある、「Fマネーカード」という、ローン専用商品について調べてみる。

発行元は、ファミマTカードと同じ「ポケットカード」。

クレジットカード会社というものは、キャッシング枠付与のためにどこも金融業許可を得ている。

せっかくの金融業を活かすため、ローン専用商品(カードローン)を出す業者もあるのである。

オリコ、セディナ、ジャックスなど信販会社はどこでもカードローン商品を出している。

銀行系カード会社も、三井住友カードやJCBなど、それほど宣伝してはいないがカードローン商品がある。

だから、カード会社のカードローンは特殊な商品ではない。ファミリーマートが最大の宣伝スポットと思われる。

ローン専用商品の利便性は、次の部分を見ればいい。

  • 金利
  • 即日融資の可・不可
  • 振込融資対応時間
  • 提携ATMの数
  • ATM利用時の手数料
  • 無利息期間
  • 随時返済の利便性

Fマネーカードはどうだろう。

その前にひとつ、Fマネーカードの宣伝文句について。

「ご利用可能枠最高500万円」について

Fマネーカードの広告の冒頭には、こうある。

ご利用可能枠最高500万円。ゆとりのご利用可能枠と特別な利率のカードローン!

お金を借りる人の皆がみな、金融に強いわけではない。

この宣伝文句を読むと、「私でも500万円借りられるかも!」と思ってしまう人も、中にはいるのではないか。

500万円もいらなくても、それだけの限度額を持っていると、年金利が4.4%と非常に低くなる。

だが、そんなにうまくはいかない。

貸金業法の「総量規制」ルールに基づき、借金をするためには、借入額の3倍の年収が必要。法律の要件である。

だから、他に借金がない場合でも、限度額500万円を借り入れるためには、年収が1,500万円必要。

こういう誤解を積極的に与えておこうとする宣伝文句はいただけない。

しばしば叩かれがちな消費者金融大手は、こんな宣伝はしていない。

ファミマTカードの、リボ払い専用カードであることを明確に知らさない点にもうかがえるが、ポケットカードの企業姿勢の問題と思うのだ。

さて、Fマネーカードの機能に移る。

Fマネーカードの金利

貸金業者はどこでも現在、金利について大きな差はない。

消費者金融も信販会社も、クレジットカード会社も、おおむね金利18.0%で貸し出している。

例外は、Yahooとみずほ銀行が組んだ「J.Score」ぐらい。これは圧倒的に低金利の12.0%で貸し付けている。

18.0%は、100万円以下の限度額のローンの、上限金利。

ただしFマネーカードの通常の金利は、限度額30万円以下の場合で17.8%。わずかに低く、消費者金融大手プロミスと同じ。

ちなみに、50万円を便宜上、1年間借りっぱなしにしたとする。金利別の利息の額は、以下の通り。

  • 金利18.0%・・・90,000円
  • 金利17.8%・・・89,000円

その差は1,000円。つまり、0.2%低いからといって特に優位性はない。

逆にわずか0.2%であっても、金利が低いということは、それだけ審査難易度は上昇するということは知っておいたほうがいい。

Fマネーカードの場合、30万円までの限度額だとごく普通の金利。

だが、限度額をアップできるなら、非常に優遇されている。これはこの商品の大きなメリット。

  • 限度額50万円まで・・・15.8%
  • 限度額100万円まで・・・13.8%

最初からこの限度額にしてもらえることはそうそうないはず。

ただ、利用実績があれば上げてくれるだろう。利用実績とは、しっかり借りて、ちゃんと返すこと。

限度額を上げてもらえれば、常に低い金利で借入れができるようになる。

限度額の3倍以上の年収は絶対に必要である。また、50万円を超える借入れの場合、年収証明書の提出が法律上義務付けられている。

即時融資は不可能

ファミリーマートに置いてあるリーフレットを記入して郵送で申し込む場合、即日融資が受けられないのは当たり前である。

ただ、店舗を持たない信販系カードローンの場合、Web経由で申し込んでも即日融資は不可能だ。

利用者の手元にカードが届くための、時間的制約があるからである。

信販系でも、セディナカードのカードローンのように「当日カード発送」をうたっている会社もあるが、珍しいほうである。

クレジットカードでも、エポスカードやセゾンカードなど、即日発行カウンターがある業者なら、そちらで受取りができるので即日融資も可能。

Fマネーカードの場合、審査は急いでくれない。カードが手元に届くまで、早くても1週間は見ておいたほうがいい。

もう少し掛かることも普通にあると思われる。

振込融資対応時間

2018年秋に銀行の「モアタイムシステム」が始まった。

みずほ銀行などシステム改修が遅れている銀行など一部を除いて、現在では振込融資に時間制限がなくなっている。

だから消費者金融やカード会社も、会員Webサイトから申し込むと、曜日と時間を問わずに振り込んでもらえるサービスを始めている。

もっとも、業者の側もシステムを整えないと、これに併せた対応はできない、

この点、Fマネーカードはまだ24時間振込みには未対応

銀行の窓口が空いている時間しか、振込融資を受けられない。

24時間対応などと書いてあるのだが、これは申込みがいつでもできるというだけ。夜に申し込んでも、振込は翌朝。

振込手数料は無料。「振込手数料0円!」などといちいち宣伝しているのだが、これは普通のこと。

普通のことをいちいちアピールするのはどんなものか。

提携ATMの数

カードで引き出す場合は、提携ATMの数が問題になる。

この点、コンビニATMは網羅しており、また、メガバンクはすべて提携

ゆうちょ銀行、イオン銀行とも提携。

その他全国地方銀行とも提携している。カードを持っているが引出しができないという心配はない。

ATM利用時の手数料

入出金のたびに、手数料が発生する。

1万円以下100円、1万円を超えると200円(税別)。

これは業界一律、ごく普通。ただし、消費者金融やクレジットカードによっては、ATMによって手数料無料にしている場合がある。

Fマネーカードの場合、そのようなサービスはない。専用ATMもないので、必ず手数料が掛かる。

とはいえ、平日午後3時までの借入れであれば、振り込んでもらえば手数料は不要になるから回避はできる。

無利息期間

カードローンは、初回借入れ時に、1か月程度利息が発生しない商品が多い。

消費者金融が多いが、地方銀行やクレジットカードにも一部ある。

Fマネーカードも、このサービスがある。初回利用時から30日間、利息は発生しない

契約提携時から30日という商品も多いので、この点は良心的。

とりあえずカードを作っておいて、困ったときに無利息で借り入れできるわけだ。

随時返済の利便性

カードローンは、積極的に返済をしていかないとなかなか楽にならない。元本を減らさない限り、絶えず利息が発生するからである。

元本を減らすのに一番いい方法が、随時返済。

どこまで気軽に返済ができるかも重要な問題。

Fマネーカードの場合、ATMを使った随時返済時にも手数料が発生するのはデメリット。

税別200円の手数料を取られるのが嫌で、つい返済をまとめてしまうこともあるかもしれない。あるうちに返済したほうが楽なのである。

まとめ・Fマネーカードを採点

先に上げた項目を、それぞれ3点満点で採点してみる。

金利 2
即日融資の可・不可 1
振込融資対応時間 1
提携ATMの数 3
ATM利用時の手数料 2
無利息期間 3
随時返済の利便性 2

合計14点(21点満点)。

ごく普通のカードローンという結論です。

急いでいない人にとっては、悪くない商品では。

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