アメックスへの悪口を吐き出したところである。
私は別に、このブランドに個人的な恨みつらみを持っているわけではない。単に、もっといいカードが世には多数あるよと思うだけ。
彼女とレストランに行って、アメックスで支払いしたいという、そういういじらしい心情を馬鹿にする気もない。人がステータスを見出すなら、ステータスはあるのだ。
もっともアメックスに、個人的な恨みつらみを持つ人も多いみたい。大きな買い物をすると、すぐに「通帳の写しを出せ」と言ってくるとか。出すまでは利用停止。
年収が下がったら、限度額(アメックスの場合は目安)を下げられたとか。
これについては、そもそも日本のクレジットカードと根本的な思想が違うので、苦情を言うものではないという意見もある。
アメックスにとっては、信用とは年収のことだからだ。高額の買い物をされたとき、その支払いを担保するのは当たり前ともいえる。
アメックスファンからすると、高額利用をする際など、事前にデスクに相談するのが当たり前だそうな。そんなこともできねえヤツがとやかく言うなということでしょう。まあ、それもごもっとも。
さてアメックスというもの、全貌を把握しづらいカードだ。
公式サイトに書かれている内容も薄い。実際に持ってみてわかることも多いのだろう。
アメックスの記事を書く際、公式を熟読しても把握できない場合、どうするか。
簡単なのは、他人の書いた記事を参考にすること。
もちろんパクリはいけない。パクリ記事は納品の際にコピーチェックを受けて拒絶される。
コピーチェックを通ってしまったとして、Googleがパクリと自動判別した場合は、検索で引っ掛かりにくくなるので、記事としての価値は落ちる。
パクリはいけないが、他人の記事を参考にするのは当然のこと。
ただ、その結果どうなるか。ひとつの記事に書かれた、根拠不明確な内容が他の記事に増幅されていくという、おかしな現象がある。
私も、他人の書いたものに目を通すが、おかしいなと思うことが多い。
根拠が明確でないまま、他人のサイトを間接的にせよ引用することで、架空の真実が生み出されていく。都市伝説の誕生だ。
アメックスの都市伝説のひとつが、解約したあと再入会しようとすると、1年間はできないというもの。
この伝説、当然のこととして、多くのアフィリエイトサイトにも書かれている。
「1年間でなくて、どうやら半年間だ」などという、バリエーションがあったりする。これも、入会禁止期間の存在を前提にしているのだ。
だが、そもそもこんなルールの存在自体ウソだと私は思う。
本当に再入会禁止なら、申込みサイトにおいてそう書いておかなくてはならない。
申し込む側も、隠されたルールを知らずに申込みをするなんて非効率である。
だいたい、クレジットカードのライティングをしていれば常識だが、カードを申し込むと個人信用情報に申込記録が付いて、半年間消えない。
申込記録だけがあって、そのカードの利用記録がないと、クレジットカードの審査に落ちたらしいということになる。
審査に落ちたという情報は、大変デリケートなものだ。これによって、次のカードの審査にも落ちてしまう可能性がある。次のカードの審査に落とされたのは、「先のカードの審査に落ちていたから」かもしれない。
こんな重要な情報が付くということを前提にして。
アメックスが、「あ、最近退会した人から申込みがあったぞ。えーと退会して5か月だから入会不可だな。はい残念。審査落ちねっと」。
こんなひどいこと、簡単にできると思う? そして世の経済効率的にも著しく間違っている。
退会してまもなく、また申し込んで落ちた人がいたとする。
落ちた理由として、「やめて間もないからだ」と結論付けるのはその人の勝手。だが、他に理由があったかもしれない。
ローンの借入れが増えたとか。他のクレジットカードで滞納をやらかしたとか。
そうした客観的事実に目を向けることなく、「アメックスは1年間はダメなんだ」と結論付けるとしたら、その発想はおかしい。
だいたい、再入会不可期間なんて、アメックス以外では一切言われないのだ。これもまた、都市伝説らしさを推測させる。
アメックスを退会するとき、優良顧客であれば引き留められることがある。アメックスだけではなくて、当たり前のこと。
引き留めを振り切って退会したとする。
その後、思い直して再入会を申し込む。その際に属性が変わっていないのに、「やめて1年だから審査落ち」なんてなると思う?
常識的にあり得ないだろう?
ライターとしては、こうした不明確なことは書きたくないものだ。
ところが、ライティングの中身を書く人と、見出しを作る人とは別。見出し作成者は、ライターに比べてフィーが安いせいもあり、クレジットカードの知識が大変薄い。
この連中は、他のサイトに書いてあることをまったく吟味せず、丸パクリして見出しを作るのである。
もちろん情報の真偽を問わず、SEO対策のため、他で引っ掛かっている情報が必要なこともある。
しかし根拠のない情報でライターが振り回されるのは、非常に迷惑なのだ。
だからライティングも、自分で見出しを作れる記事のほうが好き。
ちゃんとした見出しなら、そのまま作ればいいから楽なのだが、ちゃんとしている見出しは少ない。
自分で見出しを作るのにフィーが変わらないという案件もある。損しているのだが、精神的に楽だ。