PayPayによるコミュニケーションの発生

PayPayを相変わらずよく使う。

商店街が一気にPayPay利用店に変わって、楽しい限りだ。私のようなキャッシュレス派は、PayPayが使える(=カード決済できる)ことで、嬉しくなって小規模の店舗でも買い物したくなる。

そういう人、結構増えているんじゃないだろうか。

チェーン店に強い楽天ペイなどと違い、PayPay加盟店には、キャッシュレス決済はPayPayオンリーのお店が多い。

こういうお店はもちろんありがたくPayPayを使う。いっぽう、クレジットカードのステッカーに混じってPayPayのステッカーが貼られている店もある。

一昨日、こういうレストランでお昼にPayPayを使ってみた。こういうパターンも、結構ありがたいなと思ったものだ。

還元率の違いは大きい。PayPay(+Yahoo!カード)で決済すると、今や還元率4.0%。

でも、PayPay決済を選ぶ理由はそれだけじゃない。ランチタイムにカード決済するのは嫌がる店もある。

ランチはギリギリの採算でやっているのに、手数料を支払うお店も嫌だし、千円そこそこの決済でカードを切ることに抵抗がある人も、いまだ多い。

だが、PayPayだと、心理的抵抗が驚くほど低い。現金を出すのと、気持ちが変わらないのだ。

心理的抵抗の問題はあまり議論されないけども、これは相当に大きいのではないだろうか。

心理的抵抗が弱まれば、消費は増える。経済に与える好影響も間違いなくある。

キャッシュレスなのにムダ遣いを戒める私のような人もいるけど、「デジタルお財布のひもが緩む」心理は、実によくわかる。

実際この日、PayPayステッカーによってお店を選んだことも間違いなくあるわけで。

さて、商店街でPayPayを使うようになって、気が付いたことがもうひとつある。

それが、お店の人とのコミュニケーションである。

PayPayは、アプリとして正直デキはよくない。このブログにもたびたび載せているとおり、四苦八苦しながら使い出した。

私はようやく慣れたが、さらに普及するためには、改良の余地は大きいと思う。

だが現状のデキの悪さが、小規模店舗において、店員とのコミュニケーションを強めている側面がある。

ピッとタッチするだけのFelica系電子マネーと違い、小規模店でのPayPayはなかなか大変なのだ。

  1. (事前準備)決済方法を確認し、きちんと準備しておく
  2. 客、「PayPayで」を伝える
  3. 店員、QRコードのプリントされたボードを出してくる
  4. 客、QRコードを撮影する
  5. 店員、金額を伝える。できれば「ヒトフタマルハチ」みたいにわかりやすく。
  6. 客、金額を入力する
  7. 客、入力した金額を店員に見せる
  8. 店員、入力した金額に間違いのないことを確認する
  9. 客、決済する
  10. 「ペイペイ」と声がして決済完了。店員は再度結果を確認。

実にこれだけの手順が必要なのだ。

決済に失敗することもある。スムーズにいかない、あらゆるケースが想定される。

客と店員との共同作業なので、ここにコミュニケーションが間違いなく生まれる。

先日は「8」の段階で、お婆さんの店員が、「ちょっと待って。私眼鏡がないと見えないのよ」。

そんなことから、意外と商店街にふさわしい対話が生まれたりするのである。「この商店街は、結構ペイペイ入れたんですよ」なんて。

だから、PayPayは不完全でいいんだ、なんてそう言いたいわけではない。

鳥越俊太郎という老害のことを思い出したのだ。参考リンク

鳥越は、電子マネー流行りの世の中に、暴走老人の立場から苦言を発し、世間を苦笑させた。

鳥越、現金でお釣りをもらうほうが、コミュニケーションが図れていいでしょ、なんて述べていたのだ。

鳥越の言うコミュニケーションは、中身を持ったものではない。

PayPayの操作を客と店員が一緒になって完結させることと、現金で釣りをもらうこととの間に、価値の差などあるか?

PayPayは結構難しいから、年寄りには向かないかもしれないと思っている。

だけど、レジがそれほど混んでもいない地元の商店で、年寄りもひとつ、PayPayコミュニケーションを図ってみるというのはどうだろう。

PayPayコミュニケーションには、シャッター商店街を変える力があるかもしれない。私は本気でそう思っている。

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