クレジットカード、すっかり出さなくなった

最近、ライフスタイルの大きな変化を肌で感じている。

お店でクレジットカードを提示して決済する機会が著しく減ったということ。

出すのはスマートフォンばかり。

私の場合、スマートフォンにQRコード決済4種類、電子マネー3種類が入っている。それから共通ポイント4種。

ちなみにもっとあったが、カードの整理とともにモバイルSuicaが消え、QUICPayが消えたばかりである。

クレジットカードが生活にとって重要なアイテムであること自体には、なんら変化はない。

QRコード決済や電子マネーだけではない。光熱費、通信費、保険料、人によっては家賃等も、クレジットカード支払いにする。

私の場合は税金もカード払いで、オールキャッシュレス。

だが、ことお店のレジで提示するという機会についていうなら、これは著しく減った。

よく使うスーパーたちが、次々とPayPayの軍門に下ったことが大きい。

今、カードの現物を出して決済するのは、イオン系の小型スーパーと、QRコード決済・電子マネーを一切入れていないスーパーだけである。

イオン系だって、いつPayPay利用可になるかわからない。

財布の中に入っているクレジットカードは3枚だけ。

イオンカードと、楽天カード(パンダデザイン)、そして、電車に乗るために必要な、PASMOの付いたTOKYU CARD。

PayPayの支払元となっているYahoo!カードを持ち歩くことも、まずない。たまに、Tポイントを使う前提があるときに持ち出すぐらいだ。

楽天カード、申込みの際に一般デザインも選べたのにお買い物パンダにしてしまった。もともとネット専用だと思っていたので気にもしなかったのだが、いざ持ってみるとキャンペーンが多く、実店舗で現物も使うことが結構あった。

当時は人前で提示するのがちょっとだけ恥ずかしかったりしたが、今となっては人に見せる機会がなさすぎ、物足りなかったりなんかして。

たとえ提示したくても提示する機会がない。このことは、こんな影響をもたらすことになる。

プラチナカードなど持って、得意げに見せびらかしたいと思っても、これから先は、そうそう見せる機会はないということである。

金属でできた「LUXURY CARD」「Mastercard Titanium Card」なども。

こうなると、ゴールドカード以上のカードの相対的価値も、薄まっていくのだろうな。

すでに、一休.comなどサービスサイトの台頭で、ゴールドカードのサービス価値がどんどん減っている状況は、当ブログでもたびたびレポートしている。

そうなると、高級レストランでもって彼女に尊敬してもらうために持つだけのカードになりかねない。

だが、それを尊敬してもらう価値観自体、いつまで持つか?

高級レストランはPayPayを入れないだろうか? そうとは言えない。お互いに便利だもの。

そちらのほうがスマートでいいという価値観だってあり得る。

このように、「カードを見せる機会が減る」風潮は、今後さまざまな部分に影響してくるのではないか。やがてカードの存在意義にまでも。

プラチナカードやゴールドカードだけのことではない。若者などそもそも、キャッシュレス決済を覚える際に、クレジットカードのことが頭をよぎらないかもしれない。

いずれ近いうちに「カードの現物を持つと、なくすだけで怖い」という価値観が生まれてくる。

バーチャルクレジットカードが発行され、人気を集める日が来る。

今もあるか。今あるのはネットショッピング専用のバーチャルカード。今後は、QRコード決済やApple Pay、電子マネーのタネとしても使えるカードが出るのでは。法律上は問題ないと思うのだけど。

物理的に存在しない(なくさない)カードと組み合わせ、電子マネーやQRコード決済を使うのが普通のことになるのではないかな。

そういう時代も、私は別に嫌じゃないですね。

ただそれだって、「クレジットカード」の概念自体が生きている間だけだ。そのうち、若者が本気で困惑するようになる。

「え? 電子マネーやQRコード決済で支払えばいいんでしょ? 銀行との間にカードを挟むの? なんで? ポイントが付く? ポイントをもらうために、わざわざクレジットカードを申し込んで挟み込むの?」なんて。

そんな困惑、想像するのは難しくない。

これが我々の生きているリアルな社会である。カード業界も大変だ。

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