毎日のように、QRコード決済の記事を、体験談として書いている。
いわゆる、○○ペイである。PayPay、楽天ペイ。まだ使っていないがLINE PayやOrigami Pay。
自分でいろいろやってみて、おかげさまで使いこなせるようになってきた。
だが、たまたま記事を読んでくださった方に対し、「○○ペイとはこういうもの」という説明、私はきちんとできているだろうか?
- あの店でもPayPayが使えた!
- d払いのおかげで期間限定ポイントが使えた!
と話しているので、家族も最近、ちょっと盛り上がっている。
だが、家内があらためて訊くのである。「で、ペイペイってつまりなんなの?」。
うーむ、意外と難しい質問である。
○○ペイがなんだかわからない人が世間にはごまんといる。役に立つ立たない以前に、まず、イメージをつかむのがなかなか難しい。
「○○ペイ」で検索して、人さまの解説を複数読んでみた。
うーん、これらはダメじゃないですか?
私もライターとして一緒に反省すべきことだが、記事を書く側は、しばしば自分の知識レベルからスタートしてしまう。
でも、○○ペイってそもそもなに?という根本の疑問に対して、ゼロベースでの説明ができていない。
いきなり、「QRコードがどうたら」から始まってしまうのだ。
今日は基本に立ち返って、わかりやすい説明を心がけてみます。
送金できるとか割り勘で使えるとか、そういうのは枝葉のモンダイ。
まず、決済に使える基本をきちんと説明できなければいけません。
○○ペイの前に、電子マネー
○○ペイの前に、誰にでもわかりやすい「電子マネー」からご説明を始めます。
○○ペイも、機能としては「電子マネー」だからです。決済の仕組みです。
電車に乗る人なら、改札で皆がカードやスマートフォンを「ピッ」とタッチして通過しているのをご存じでしょう。
JR東日本の「Suica(スイカ)」を始め、この交通系電子マネーは全国に普及しています。
たまにしか乗らないので切符を買う人でも、カードやスマートフォンがお金の替わりになるんだなというのは、見ていればわかります。
カードの中にお金が入っていると考えればいいわけです。お金を入れることを「チャージ」といいます。
チャージをするのにもっとも基本の方法が、券売機や精算機で、現金を入金すること。
ですが現金をチャージしていても、完全な「キャッシュレス」にはなりません。
改札の場合は現金で通れないのですから、通れるようにするためチャージをする、その手間はさして気にならないかもしれません。
ですが舞台を変えて、同じ交通系電子マネーをコンビニで買い物に使うことを考えてみます。その際にいちいち現金でチャージをするのは、無駄に思えるのではないでしょうか。
この点、クレジットカードからチャージをして電子マネーを使えば、真の「キャッシュレス」になります。
特に便利なのがSuicaで、これは交通系電子マネーで唯一、スマートフォンで使えます。
JR東日本エリア以外では、改札を抜けるとき、オートチャージ機能は働きません。電車に乗るたび、残高が少なくなったらチャージしてくれることはありません。
ですがスマートフォンの簡単な操作で、クレジットカードから随時にチャージができるので、マイナスを補ってあまりあります。
そしてSuicaは、コンビニやスーパーの多くで使えます。
スマートフォンで使うモバイルSuicaがあれば、全国どこに住んでいても、キャッシュレス生活の第一歩です。
電子マネーはSuicaだけではありません。
Suicaのように、機械に「ピッ」とタッチして使うタイプの電子マネーは数多くあります。
「ポストペイ型」(電子マネー利用と同時にクレジットカードで決済)
- iD
- QUICPay
「プリペイド型」(Suicaと同様、先にチャージして使う。クレジットカードからのチャージ可)
- 楽天Edy
- nanaco
どの電子マネーも、クレジットカードと組み合わせて使えます(クレジットカードの組み合わせが限定される「WAON」は抜きました)。
ポストペイ型(後払い)とプリペイド型(事前にチャージして使う)の違いはありますが、どちらのタイプでもキャッシュレスとして使えます。
ポイントが貯まるので、現金払いより有利です。
クレジットカードのポイントが貯まるもの、電子マネーのポイントが貯まるもの、両方貯まるものがあります。
ポイント付与率には違いがあり、両方貯まるものが一番いいとは限りません。
さて、電子マネーの本質についてここまで理解している人なら、○○ペイまではもう一歩です。
○○ペイはなにをするもの?
長い前置きでしたが、「○○ペイ」がなにをするためのものか、どんなメリットがあるかについては、「電子マネー」と考えれば大部分はわかるということです。
先に挙げた、タッチタイプの電子マネーは、端末導入の負担が小売店にあるため、小規模な店舗では導入していません。
使えるお店はチェーン店が主です。
ですが、○○ペイなどの「QRコード決済」は、初期導入費用が大変安いため、現在急速に普及しているわけです。
小さな、クレジットカード不可のお店に「PayPay」のステッカーが貼られているのが目立つようになってきました。
○○ペイも、電子マネーと目的は同じです。買い物に使うのが基本です。
○○ペイも、クレジットカードや銀行口座、事前のチャージから支払いをするのです。このことは、電子マネーとまったく一緒です。
電子マネーでいう、「ポストペイ型」(後払い)または「プリペイド型」(前払い)です。
楽天ペイなどは、チャージがないポストペイ型です。これがもっともわかりやすいQRコード決済ではないでしょうか。
とはいえ、従来の電子マネーと○○ペイ、つまりQRコード決済には、大きな違いもあります。
次のふたつ。
- スマートフォンのアプリでしか使えない
- バーコードを提示する、または利用者自ら店頭にあるバーコードを読み込む作業が必要
スマートフォンで何らかのアプリを使っている人にとっては、それほど高いハードルはありません。
○○ペイは、接触によってではなく、バーコードを読み取ることで決済をします。
利用者の端末と、お店のレジとが、バーコードを媒介としてつながると考えればいいでしょう。
この際の方法が2通りあって、お店によって異なる点は押さえておかなくてはなりません。
店頭にバーコードがあれば、利用者が読む必要があります。アプリからカメラを起動して認識させ、自分で価格を入力します。
店頭にバーコードがなく、ICリーダーを出してきた場合、アプリでバーコードを表示します。
ここがもっとも難しい点です。逆にいうと、ここで躓かなければ大丈夫です。
楽天ペイは使いやすい
○○ペイを引っ張っているのは、PayPayと楽天ペイ。
どちらも、キャンペーンを活発におこなっています。
なにも、どちらかいっぽうを選ぶ必要はありません。スマートフォンには、両方のアプリが入ります。
とはいえこのふたつのアプリ、難易度は結構違います。
まず、○○ペイをどれかひとつ試してみたい人には、楽天ペイをお勧めします。
楽天ペイの場合、サービスが比較的シンプルで、わかりやすいもの。
- クレジットカードで決済する「ポストペイ型」
- チャージは不要
- 利用によって楽天スーパーポイントが貯まる
楽天カード会員や、楽天スーパーポイント会員などは、楽天IDを持っています。
これを利用して簡単にクレジットカードがセットでき、すぐに始められます。
楽天カード以外のJCBカードは現在、楽天ペイにセットできません。VISAかMasterCardを使いましょう。
楽天カードをセットして使えば、ポイント還元率も高くなります。カード利用で1.0%、楽天ペイ利用で0.5%で、合わせて1.5%と高還元率となります。
また、2種類の支払方法の切り替えが、PayPayよりわかりやすいです。
写真は楽天ペイアプリを開いた状態ですが、いきなりバーコードが表示されます。店舗に読み取ってもらう場合はこちらを提示します。
店頭にバーコードが出ている場合は、下部の「QR読み取り」をタップすると、スキャンができます。
この場合は、続けて金額を自分で入力します。
わかりやすい楽天ペイで、QRコード決済に慣れてみてはいかがでしょうか。