バンドルカードの「ポチっとチャージ」は危険/最大金利217.3%だ!

バンドルカードというプリペイドカードのCMが始まったようである。
あのベッキーが主演している。まあ、それはよろしい。

バンドルカードは、中高生をターゲットにしたプリペイドカードである。
VISA加盟店で使えるが、もちろんクレジットカードではない。事前にチャージが必要。

スマホアプリで、ネットショップで決済ができる。Paypayなど、QRコード決済の支払用にもセットできる。

さらにクレジットカードサイズのリアルカードを発行してもらうと、実店舗でも使える。

リアルカード発行には手数料が必要なのだが、現在キャンペーン中で実質無料(キャッシュバック)。

中高生にも、自分のお小遣いの範囲で使えるカードがあるのはよかろう。

ただ、私なら保護者の立場として「dカードプリペイド」を持たせたい。
これなら、親のdカードから、子供のプリペイドカードに対してチャージができる。

こうすれば、現金に触れずに、最大限ポイントも貯められていい。

Suicaも結構いい。なにしろ電車に乗れる。駅以外で、使える店舗もかなり多い。

中高生はモバイルSuicaは使えないが、カードタイプのSuicaにも、親のJR系カードからチャージは可能。ポイントも貯まる。
駅でもできるが、パソリ(ICリーダー)があれば自宅でもチャージ可能。
(※パソリのサービスは廃止予定)

バンドルカードはそもそも貯まるポイントもない。

カードライターの厳しい目からすると、魅力が薄い。

リアルカードは、券面表側に番号表示がないものも選べる。これはちょっと綺麗なデザインでいいけど、店員に「なんですかこれ?」って言われると思うよ。
どうも、クレジットカードごっこにしか見えぬ。

ここまではいいでしょう。選択するのはユーザーだもの。

だが調べていて、これはちょっといかんなと思うサービスがある。
それが、「ポチっとチャージ」。

事前にチャージをするプリペイドカードの掟破りで、お金がなくてもチャージができるのである。

3千円から、最大5万円。審査により異なる。
プリペイドカードには審査がないのだが、ポチっとチャージには審査があるのである。

要は、お金を貸してもらえるサービスなのだ。

だが、利息が付く。利息というと貸金業許可が必要になってしまうが、手数料と呼んでいる。

でも実質は利息だ。これと併せて、翌月末までにコンビニで支払う仕組み。
チャージ金額に合わせて以下の通り。

チャージ額 手数料
3,000〜10,000円 500円
11,000〜20,000円 800円
21,000~30,000円 1,150円
31,000~40,000円 1,500円
41,000~50,000円 1,800円

こういうものを見ると、私は金利を計算せずにはおれないのである。
カードライターであるとともに、ローンライターだから。

最も有利な、6月1日にポチっとチャージをして、7月31日に支払う(返済)ケースを見てみる。

61日間の借金である。
チャージ金額は、もっとも手数料が安くなる5万円。
実質利息は1,800円。

1,800 ÷ 50,000 × 365 ÷ 61 = 21.54%

えー。すでに消費者金融の上限金利、18.0%を上回っておりますが。

今度は、もっとも金利の高いケースを見てみよう。

1月31日にポチっとチャージをして、2月28日に支払う(返済)ケース。

29日間の借金。
チャージ金額は、もっとも手数料が割高になる3,000円。
実質利息は500円。

500 ÷ 3,000 × 365 ÷ 28 = 217.3%

えー、217.3%。すごい数字。

利息制限法どころか、出資法における、金融業者以外の上限金利109.5%の倍である。

こんな超高金利の借金を、未来のある、しかし知識のない中高生にさせていいのだろうか。

反論もありそうだ。「たかだか500円とか1,800円とかのお金に、利息を計算するなんておかしいんじゃないの」と。

いや、少額だからいいやと思う人のほうがおかしいと思いますよ。
闇金だって、最初から高額を借りるとは限らない。少ない額でも、徐々に麻痺させていくのが奴らの手口。

いやあ、バンドルカード怖いなあ。

CMがベッキーなのもむべなるかな。

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