私はサラリーマンではない。ランチを買うこともなく、コンビニヘビーユーザーではあり得ない。
むしろ、そんなにコンビニ使っていないと思う。もっともよく使うのが、野菜が小分けで売っているローソン100だろう。
少額しか使わないのにコンビニでは悩む。決済で、なにとなにを出したらいいだろう。
「なにとなに」とはなにかというと、ポイントサービスと決済とである。
2019年から本格的に出回ったQRコード決済によって、これが大変複雑化してしまったのだ。
だが、2020年も2か月が過ぎ、また流れは変わってきている。QRコード決済を遠くから眺めていた人にも、チャンスが到来である。
常に便利なのはSuica
2018年までは、もっとも便利かつお得な決済はSuicaだった。なにしろタッチだけでいいのだから、実に楽。
電車に乗るのと同じ感覚で、コンビニでも役に立つ。
だが2019年になってQRコード決済が幅を利かせたために、相対的な地位が低下した。
その後2020年、QRコード決済がのきなみ還元率を引き下げた今、改めてSuicaの時代である。
Suicaだけではダメである。JR東日本系のカード(ビュー・スイカカード等)と組み合わせて使うのがいい。居住地域を問わず。
できれば、いつでもどこでもチャージができる、モバイルSuicaがお勧め。特に、オートチャージの恩恵を受けられない、JR東日本以外の人はこの使い方が必須。
モバイルSuicaがあれば、チャージのたびに1.5%還元でポイントが貯まる。なかなかこれにかなう電子マネーはない。
私はJR系カードは解約してしまったのだが、エポスゴールドカードでもってチャージをしている。
1年間100万円を使うという縛りはあるが、これでもチャージ還元率が1.5%となるのでJR系に匹敵する。
(※ 「選べるポイントアップショップ」に「モバイルスイカ」を登録すると、ポイント3倍で2.5%となります)
あとは、還元率常時1.2%のリクルートカードなどからチャージするのもいい。月間3万円までという制限はあるが、ポイントはちゃんと付く。
プラチナカードなどには、還元率が常時高くSuicaチャージでポイント対象のものもある。
ジャックスカードプラチナなどポイント還元率常時1.5%以上であり、さらに利用実績によってこれが大きくなる。これならJR系を上回るだろう。
さてコンビニ等使う場所を選ばず、どこでも高い還元率を誇るのがSuicaの威力。
たとえば、イトーヨーカドーやイオンでも当然ながら1.5%還元。
イトーヨーカードーで「セブンカード・プラス」を使う場合、イオンでイオンカードを使う場合よりも、Suicaのほうが還元率が高い。
ただしごくまれに、楽天Edyに負けるシーンがある。これは後述。
コンビニごとの決済を考える
さてコンビニも集約されて、都内などおおむね3種類しかない。
すなわち、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン。
楽天はサンクスを攻略したのに、ファミマになってサービスが消滅してしまった。
現状3種類しかなくても、支払い方のパターンが多いので、なにが一番得なのか覚えきれなくて困る。
自分の整理もあり、コンビニ攻略法を書いてみる。
いつも考えてないと、レジで、あれ、なにを出したらいいんだったかなと悩んでしまう。
なお、消費者還元事業の2.0%は共通して付与されるので、以下では考えない。楽天ペイが5.0%還元を止めたため、すべての決済方法が現在フラットである。
最初に、各コンビニならではの決済を、最後に共通して便利な支払を紹介する。
セブンイレブン
2019年、7Payでやらかしたセブンイレブンから。
7Payの運営会社は、セブン&アイ左遷組の吹き溜まりだったとか。
そこで奮起できなかったのが、池井戸ドラマと違う現実の悲しいところだ。左遷組の上には出世街道を外れた社長がいる。
さてセブンの決済は、実はクレジットカードがいい。
後で詳しく紹介するが、コンビニでポイント5倍、ポイント還元率2.5%となる三井住友カードが最強。
だが、セブンに限定するなら他にもすごいのがある。JCB CARD R。
リボ回避のできないリボ払い専用カードなので、上級者向け。
常にポイント4倍、還元率2.0%というからすごいが、リボ残高を残さないように利用しても毎回リボ手数料が発生するので、実ポイント還元率は1.0%をやや下回るぐらい。
それでもなかなか魅力的。
セブンイレブンでJCB CARD Rを出すと、ポイント6倍で、3.0%。
リボ手数料の毎回発生を考慮すると、実還元率2.0%ぐらいと思っていたほうがいい。それでも強い。
やや落ちるが、セディナカードはセブンイレブンでポイント3倍で、還元率1.5%。
セゾンカードのご利用で「nanacoポイント」が貯まるサービスというものもある。長いサービス名だがこれが正式名称らしい。
セゾンカードを会員用Webサイトから登録しておくことで、セゾンカードのポイントに加え、ポイント還元率1.0%で自動的にnanacoが貯まる。セゾンカードは通常還元率0.5%なので、合計で1.5%。
ハウスカードのセブンカード・プラス、ハウス電子マネーのnanacoはどうか。
どちらも還元率1.0%。nanacoは、セブンカード・プラスからチャージして使うこと。
7Payがなくなったのに、0.5%に下がったnanacoのポイント還元率は元に戻らない。
ハウス決済なのに、ちょっと物足りない数字。
nanacoも、Suicaに負けている。
セブンではポイントはなかったが、現在ではスマホアプリの「セブンマイルプログラム」を提示すると、還元率0.5%で「マイル」が貯まる。
マイルといっても航空会社とは関係ない。いずれ、1マイル1ポイント(1円)相当でnanacoポイントに交換可能となる予定。
ファミリーマート
2019年11月、Tポイント陣営を裏切って楽天スーパーポイントとdポイントに加盟し、TSUTAYAに衝撃を与えたファミマ。
Tポイントにもまだ加盟したままではある。PayPayアプリではTカードを開けるが、この組み合わせが実際に使えるお店は実に少ない。ファミマはその数少ない例。
ポイントカード3種類のポイント還元率はすべて0.5%なので、1.0%のローソンには負けている。
ハウスクレジットカード、ファミマTカードがある。ファミマで使うと還元率2.0%。ファミマに限ればこれがいい。
QRコード決済のファミペイもある。還元率0.5%。
ファミペイにチャージできるクレジットカードはファミマTカードのみ。クレジットチャージの際のポイントは0.5%。
ファミマTカードで支払えば2.0%なのに、ファミマTカードからファミペイにチャージして使うと1.0%。損をする。
ファミマTカードは、ファミペイにチャージできる唯一のカード。なのに設計が間違っている気がする。
他の決済方法は、ファミマだからというメリットはない。普段使っているものでいいだろう。
ローソン
ローソンについては、2020年11月にdカードによる割引がなくなった。
現在は、au PAYが便利。
- au PAY・・・3.0%還元(ローソンストア100では4.0%還元)
- ローソンストア100で3日、13日、23日にau PAY決済・・・7.0%還元
さらに、auユーザーは得になる。
3社共通で便利に使える決済方法
コンビニの個性と関係なく、常に強い決済方法も見ていこう。
2020年3月2日まで、常に最強なのは楽天ペイだった。5.0%だったがこれがなんとゼロに。
新しい決済の癖を付けないと。
その代表格が前述のSuicaなのだが、他にもある。
3社共通で優秀なクレジットカードは三井住友カード
三井住友カードを持っていれば、コンビニ3社はポイント5倍である。
通常0.5%のポイント還元率が、2.5%となる。加算ポイントの単位は、決済ごと250円なので端数は出る。
これはなかなか得だろう。「少額でクレジットカードを出すのはイヤ」なんて言っていてはもったいない。VISAのタッチ決済も可能。
三井住友カードは、マクドナルドでもポイント5倍。マクドナルドではQRコード決済がないので、さらに価値が上がる。
3社共通で優秀な電子マネー
Suicaがどこでも圧倒的に強いことはすでに見た。他はどうか。
楽天Edyもどこでも使える電子マネーであるが、楽天カードと組み合わせても、チャージと利用とを併せて還元率が1.0%にとどまる。
だが他のクレジットカードで、チャージの際にポイントが大きく貯まるものがあるともう少し得になる。とはいえ最近、楽天Edyへのチャージでポイントの貯まるカード自体減っている。
リクルートカードは貴重なこの例外。VISA、Mastercardブランドだけだが、楽天Edyにチャージして1.2%ポイントが貯まる。
ポイント対象になるのが月に3万円までという制限があるが。Kyashをかますと制限が突破できるなんて話だが、いかにも裏ワザなのでじきにできなくなると見た。
リクルートカードからチャージの場合、利用と併せてポイント還元率1.7%となる。現状ではすごい。
ただ、もっと上回る組み合わせが私にはある。先にSuicaをおすすめしたものの、個人的にはこれだ。
- エポスゴールドカードと楽天Edy
エポスゴールドカードは、年間100万円利用する想定でいる。そうすると、最終還元率が1.5%。
そして、楽天Edyへのチャージも、年間100万円カウントの対象となるのである。
だから、楽天Edyへのチャージが1.5%ということになる。利用と併せて、2.0%。
これはすごい。楽天Edyを使えば使うほど、ポイントアップの確実性も増す。
基本の楽天カードしかない人も、還元率1.0%であきらめるには及ばない。
楽天カードは、キャンペーンでしばしば楽天Edyへのチャージに多くのポイントを付けてくれる。Suicaを抜くわけではないが、キャンペーン時にチャージしておくといいと思う。
ただし、楽天カード一体型だけのことが多いのは、モバイルユーザーには残念。
ともかく楽天ペイの価値が落ちた今、楽天Edyが大きく見直されそうだ。
3社共通で優秀なQRコード決済
世間の決済スタイルを一新したQRコード決済も還元率を下げたが、それでも価値は依然としてある。
楽天スーパーポイントや、dポイントの期間限定ポイントを使うのにとてもいい。
特にコンビニでは使いやすい。
還元率は気にせず、ようやく慣れたので惰性で使っている人も多いのではないか。手間がかかる分だけ、還元率は高くあって欲しいところ。
PayPayは2020年4月になんと、0.5%に落ちてしまった。、これはヤフーカードまたは現金・銀行チャージの場合のみ。ヤフーカードのTポイントは対象外となった。
コンビニの場合、もはや絶対に使ってはいけない決済にまで落ちてしまった。キャンペーンはよくあるので、そのときを除いてだが。
他のクレジットカードと組み合わせる場合、PayPayチャージが付かなくなっている。カードの還元率そのままだ。
なら、Apple Payなどの決済と同じ。
手間がかかるのに優位性はないが、それでもヤフーカードとセットするよりましな場合が多いという逆転が生じている。
d払いは0.5%上乗せ。dカードと組み合わせれば1.5%。Suicaと一緒。期間限定dポイントを使うにはまだまだいい方法。
楽天ペイは、5.0%還元が終わったと思ったら、なんと還元率ゼロになってしまった。
こうなると、楽天カードと組み合わせても1.0%。キャンペーンがあるときの楽天Edyにまで負けている。
これも、期間限定楽天スーパーポイントを使い切るときの決済になってしまったか。
ただ、この3月など、楽天カードのキャンペーンを満たすために私は依然として楽天ペイを使っている。需要がなくなることはない。
au PAYがここに加わったが、プリペイド式でチャージが必要。キャンペーン以外は様子見だ。
基本のポイント還元率は0.5%に過ぎない。これは他と同じだが。
クレジットカードの歴史を考えたとき、今後au PAYにチャージしてもポイント対象外となるカードが間違いなく増えていく。それは認識しておこう。
Pontaでつながっているリクルートカードも対象外。
せっかく開放路線からスタートしているのに、気が付くとauに囲い込まれている人のためのアイテムになりかねない。